印刷の種類

オフセット印刷

印刷技術のひとつ。 実際に印刷イメージが作られている版と紙が直接触れないのが特徴。 版に付けられたインキを、一度ゴムブランケットなどの中間転写体に転写(offset)した後、紙などの被印刷体に印刷するため、オフセット印刷と呼ばれています。オフセット印刷は、湿し水とインキの中にある油の反発作用を利用して、紙に絵柄等を印刷します。

輪転印刷

印刷機に巻取り紙をセットして印刷するオフセット印刷で、枚葉印刷よりも数倍高速で連続印刷できるので、新聞、折込みチラシなど短時間で大量の部数が必要な印刷に適しています。折りなどの後加工もインラインで行えます。ただしセットできる巻取り紙の幅はオフ輪機の機種に制約されます。A判の場合は1,250mm、880mm、625mmの3種類、B判の場合は1,085mm、765mm、383mmの3種類の用紙幅があります。

ビジネスフォーム印刷

主に事務処理用などで使用される書式の決まった帳票。手書き用と機械印字用のフォームがあります。一部ごとに断裁されたものを単片フォーム、ジグザグ折りまたは巻取り状になっているものを連続フォームと呼びます。単片フォームとしては配送伝票、統一仕入伝票などがあり、連続フォームとしては葉書シールフォーム、ダイレクトメール封筒、給与封筒などがあります。

フレキソ印刷

グラビア印刷が凹版を使用する印刷方式に対し、フレキソ印刷は凸版を使用し、柔軟性のある樹脂で版を作り、紙やフィルムなどの被印刷体にダイレクトに印刷する方式です。
フレキソ印刷で使用するインクは粘度の低い水性インク、アルコールインクを使用するのが一般的で、UVインク(UV光(紫外線)を照射させることにより、硬化・定着するインクです)などを用いても印刷を行ないます。
フレキソの印版は柔軟性がある樹脂素材でできているため、形がつぶれやすいダンボールへの印刷によく使用されています。また、ベニヤ板のように表面に凹凸がある素材へも版がフィットするため、印刷が可能です。また、フレキソ印刷は溶剤を使わずに製版・印刷が可能ですので、口に入る飲料・食品類のパッケージや、医薬品・繊細な赤ちゃんの肌に触れる製品など、高い安全性が求められる製品にも向いています。
日本ではフレキソ印刷は大半が段ボールの分野で使用されていて、フレキソ印刷のシェアはほぼ100%です。次いでシェアが高いのが製袋、ラベルの分野で、紙器、軟包材はまだフレキソの採用が進んでいないのが現状ですが、近年注目度が増し印刷機の引き合いも多いようです。
欧米では軟包装印刷の7割がフレキソ印刷ともいわれ、非常にメジャーな印刷方式です。

水なし印刷

オフセット印刷は、湿し水を使用し印刷していますが、水なしオフセット印刷は湿し水の代わりにシリコンゴムを使用します。
有機化合物を含む湿し水を必要としないので、環境に優しい印刷が可能です。
また、水でインキがにじまないため、くっきりとした網点を再現できます。