05月29日 色について

見え方それぞれ

製版、印刷業務を扱っている会社ですから“色味”はとても重要な要素を担っています。
とはいえ自分が携わっている作業はスミ1色がほとんどなのであまりえらそうなことは言えませんが…。

東洋人の黒い瞳に比べ西洋人の青い瞳は色素量が薄いため眼に入ってくる光の量が必然的に多くなります。彼らが夏場よくサングラスをしているのは東洋人よりも眩しさを感じやすいためです。
唐突ですがリンゴは何色かと問われたら大抵の人は赤いと答えると思います。
青りんご云々とかは置いておいて。
「リンゴは赤い」ですが
厳密に言うと「リンゴは光の中の赤い色素をはね返す果物だから赤く見える」ということになります。
“光”と“色”は切っても切れない間柄であり
眼に入ってくる光量の違いが色の見え方にも大きく関わってきます。

以前、ゴッホの「ひまわり」を西洋人と東洋人とでは色味の見え方が異なることで贋作を見破るような物語を読みました。
瞳の色は眼の中にある「虹彩」という組織の色で変わってきます。
青い瞳を持つ人は青いフィルターを通して外界を見ていることになるので黒いフィルターを持つ東洋人とは色の捉え方が変わってきます。
北野武監督の映画はヨーロッパなどで評価が高いですが特徴としてシーン全体に青みがかった色彩が“kitano blue”と呼ばれ芸術性を高めているとの評価を受けています。
青い瞳の西洋人にはその北野ブルーを更に青いフィルターを通して鑑賞しているのでなおさら強い印象を受けるのかもしれません。

ゴッホや映画、芸術などの分野に関しては見え方の違いはまた一段とその作品を魅力的にすることになりますが商業印刷の場合、青い瞳黒い瞳ほどの違いはないにせよ色味というものは見るその人にも左右されるものなのでなかなか悩ましいものではあります。
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