グラビア印刷が凹版を使用する印刷方式に対し、フレキソ印刷は凸版を使用し、柔軟性のある樹脂で版を作り、紙やフィルムなどの被印刷体にダイレクトに印刷する方式です。
フレキソ印刷で使用するインクは粘度の低い水性インク、アルコールインクを使用するのが一般的で、UVインク(UV光(紫外線)を照射させることにより、硬化・定着するインクです)などを用いても印刷を行ないます。
フレキソの印版は柔軟性がある樹脂素材でできているため、形がつぶれやすいダンボールへの印刷によく使用されています。また、ベニヤ板のように表面に凹凸がある素材へも版がフィットするため、印刷が可能です。また、フレキソ印刷は溶剤を使わずに製版・印刷が可能ですので、口に入る飲料・食品類のパッケージや、医薬品・繊細な赤ちゃんの肌に触れる製品など、高い安全性が求められる製品にも向いています。
日本ではフレキソ印刷は大半が段ボールの分野で使用されていて、フレキソ印刷のシェアはほぼ100%です。次いでシェアが高いのが製袋、ラベルの分野で、紙器、軟包材はまだフレキソの採用が進んでいないのが現状ですが、近年注目度が増し印刷機の引き合いも多いようです。
欧米では軟包装印刷の7割がフレキソ印刷ともいわれ、非常にメジャーな印刷方式です。